研究課題/領域番号 |
22405002
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
遠藤 秀紀 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30249908)
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研究分担者 |
池谷 和信 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (10211723)
石黒 直隆 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (00109521)
本郷 一美 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 准教授 (20303919)
押田 龍夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (50374765)
佐々木 基樹 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (50332482)
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キーワード | 家畜化 / 学融合 / アジア / インド洋 / 狩猟 |
研究概要 |
ゲノム資料の収集・保管・解析、三次元マクロ形態情報を占有する家畜原種や在来家畜集団の骨格や歯牙、筋肉などの詳細な形態情報や核型の顕微鏡写真情報をデジタル情報ライブラリーとして構築、解析を開始した。資料収蔵継承システムの強化と博物館の収蔵公開体制の整備が重要であり、本年度は、アジア地域ではタイ、ラオス、ベトナム、インドネシアの調査フィールドに赴き、家畜・家禽の飼育や品種分化、狩猟誌の資料を収集・検討した。ラオスではとくに関連する農具を収集し、同国の学術・市民社会に対し、博物館の芽生えを見せるという効果を生みだした。 とりわけラオスでは家禽と野生原種セキショクヤケイの解析を進め、とくに野生集団の地理的変異についても解明を進めることができた。またインドネシアでは何種かの家畜に関するゲノムデータを研究し、島嶼間での比較を次の課題として生み出しつつある。ベトナムとタイにおいては、在来家畜集団を検討し、とくに北ベトナムにおける在来豚、在来鶏の収集と解析を開始した。日本国内においては、貴重な在来馬、在来牛の機能形態学的変異を追った。 文化面からは、生物学的繁殖統制のみを家畜化と呼ぶ一義的な家畜化イメージを乗り越え、地理的位置、自然環境、時代、民族、言語、風習、伝統、民俗などに着目して、調査を進めた。インド、スリランカ、トルコなどでのデータ収集と解析を進め、狩猟誌的検討として猟具や狩猟方法の資料に基づく調査を行った。今後も文化人類学的・民俗学的聞き取り調査を継続し、きめ細かい人的交流・人的成熟を通じた、調査対象国の研究力量の高度化を図っている。文化財科学の視点に立った標本資料の安定化施策を関係国に定着させることを、次年度以降も企図したい。
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