研究課題
平成23年度は、以下の4項目について調査を行った。調査研究実施国:中国(1)ファインスケール調査地における野生動物の生息地利用についての研究中国と日本の生態研究者とで后河保護区内のテン、アナグマによる種子分散についての食性や環境選択についての調査を行った。昨年度より引き続き、自動撮影により3種の生息状況調査、および捕獲によりDNAサンプリングとして生体からの組織採取を行った。(2)英国におけるワークショップおよび研究打ち合わせ平成23年6月に、中国側、日本側、および英国の共同研究者にてワークショップを行い、打ち合わせを行った。比較のためヨーロッパ地域(ブルガリア)のDNAサンプリングも行った(9月)。(3)中国学生によるブタバナアナグマのDNA分析-平成23年7~8月平成23年7月~24年2月にかけて中国科学院修士学生を、中国科学院動物学研究所李明博士の協力により実験について指導し、DNA分析による糞サンプルの種および性判定のためのプライマー開発と糞サンプルを用いた検証実験を行った。平成24年3月に、増田隆一准教授が動物学研究所において実験指導を行った。(4)広州と香港-平成23年11~12月平成23年10月~1月に、香港、広州、および雲南地域の野生動物市場や密猟の実態、および漢方薬利用について、聞き取りおよび文献調査を行った。
2: おおむね順調に進展している
キエリテン、ブタバナアナグマの生態調査(食性分析、種子分散、環境選択)のデータ収集に関して、計画通りに進捗している。ブタバナアナグマのDNA分析に関しては、東日本大震災の影響を受けて当初計画していた中国の院生が日本への渡航をとりやめる事態となり、中国科学院動物学研究所の協力を得て取り組み始めたが、少し遅れている。広州と香港、雲南地域の野生動物市場や漢方薬利用の実態調査は順調に進んでいる。
順調に進んでいる、生態調査と動物の経済的利用の調査について、調査人員を増やしてさらなる進捗をめざす。並行して論文発表や国際学会口頭発表を中心に、研究成果の発表を進める。DNA分析に関しては、当初の計画を縮小して、筋肉サンプルを用いた各種動物種の遺伝的多様性評価とプライマー開発まで取り組むこととし、それらの論文発表をすすめる。いずれの調査も、今後は、日本から中国へ渡航して調査する人員を増やすよう努力する。
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