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2011 年度 実績報告書

日本発侵略的外来植物の分布拡大に伴う適応進化、侵略性発現に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22405004
研究機関千葉大学

研究代表者

上原 浩一  千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (20221799)

研究分担者 小林 達明  千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (40178322)
野村 昌史  千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (50228368)
藤井 義晴  東京農工大学, 農学研究科, 教授 (10354101)
キーワード侵略的外来植物 / 侵略性発現 / 系統進化 / イタドリ / 葉緑体DNA / 核DNA
研究概要

イタドリは、路傍や荒地まで様々な場所に生育するタデ科の大型多年生植物で、日本と韓国、中国、台湾に分布する。また、19世紀以降園芸植物として欧米に導入されたものが侵略的外来種として大きな問題になっている。イタドリは種内変異に富み、外部形態や、葉緑体DNAにおける地理的分化が確認されているがこれまでの解析は不十分と考えられていた。本研究はイタドリの分布地域で、詳細な遺伝的解析を行うとともに欧米の侵入地域を調査、侵略的外来種イタドリの伝搬経路と侵略性獲得機構を明らかにすることが目的である。23年度は、それまでに得られた日本国内と韓国の73集団のイタドリ・オオイタドリについて核DNA ITS領域および葉緑体DNA rbcL-accD領域の塩基配列情報をもとに詳細な系統関係解明を試み、核DNAを用いた系統解析では6グループに、葉緑体DNAでは3グループに分けられること、オオイタドリとイタドリは単系統となったが、その中にもオオイタドリのみで構成されるサブクレードと、イタドリと混在するサブクレードが認められた。この結果から両種の生殖的隔離が不完全で頻繁に交雑が起こり、種内・種間で複雑な遺伝子浸透が起こっていることが示唆された。また、人為的な導入と考えられる遺伝的な攪乱も認められた。また、新たに日本国内では徳島県、香川県、新潟県、和歌山県、鹿児島県で調査サンプリングを行った。海外調査は8月23日~9月2日まで英国調査を行った。メンバーは上原、藤井と黒瀬大介JSPS特別研究員の3名でエジンバラ~グラスゴー~マンチェスター~スウォンジー~プリマス~ロンドンの約30地点でイタドリ、オオイタドリ、および両者の雑種個体のサンプリングを行った。これらの遺伝解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

葉緑体DNAおよび核DNAの塩基配列を用いた日本国内および韓国の種内変異の分布状況はかなり明らかになってきている。23年度は侵入地域でも最も重要な英国を広域調査し十分なサンプリングも行うことが出来た。調査で得られた試料を解析していく予定である。

今後の研究の推進方策

24年度の調査は北米大陸東海岸および西海岸の調査を行う予定である。遺伝解析はこれまでのシークエンスによる解析に加え、マイクロサテライトマーカーを用いた解析も進める予定である。

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公開日: 2013-06-26  

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