研究課題/領域番号 |
22405010
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
幸田 正典 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70192052)
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研究分担者 |
畑 啓生 愛媛大学, 理工学研究科, 助教 (00510512)
宗原 弘幸 北海道大学, 北方圏フィールド科学センター, 准教授 (80212249)
松本 一範 香川大学, 教育学部, 准教授 (90452664)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 共同繁殖 / 血縁ヘルパー型共同繁殖 / 雌による父性認識の操作 / 分散遅延 / 血縁淘汰 / 個体認識 / 社会構造 / 社会進化 |
研究概要 |
最終年度である2012年度はのべ5名の日本人研究者がタンガニイカ湖で予定通り野外調査を実施した.協同繁殖魚オブスキュルス、ブリチャージ、マルチファスキアータスの調査の他、マリエリの予備的調査を実施した. オブスキュルスは、これまでの成果を補強するデータが得られた.本種では分散遅延を起こしなわばりにヘルパーとして滞在する個体のうち雌が雄より早くなわばりを離れ繁殖を開始する事がほぼ明らかとなった.これは出生なわばりをどちらの性が早く独立し離れるのか、魚類ではじめて明らかになった事例であり(ほ乳類よりも鳥類の分散様式に似ている)、この発見の持つ意義は大きい. Neolamprologus属の他の共同繁殖魚についても種間比較のための調査をザンビア沿岸域で行った結果、本属にはシミリス他3種でも血縁型共同繁殖の可能性が示された.本調査の成果を含め、のべ12種の血縁共同繁殖種を比較すると、砂地、貝棲み、転石と微小生息場所の違いはあっても、いずれも巣を維持するために砂を常時出す必要のあることが共通項として確認された.これに対し、本属の非共同繁殖種では、巣が転石や岩の割れ目など砂をかぶる事の無い、つまり巣の維持に手間があまりかからない種である事が確認された.詳細は今後検討するが、この傾向は概ねまちがっていないと思われる.この点について鳥類など他の脊椎動物と比較研究が可能となった.またスイスのベルン大学チームとブリチャージについて共同研究を実施した.ここでは、地域によって協同繁殖の様式が一夫一妻と一夫多妻をベースにする場合が地理的に変異する事が見いだされた. この他、本種独特の社会的誇示行動のタイプ分けを行うことができた.当初予想されたように、一夫一妻種にくらべ、個体認知能力は高く、それにともない個体の確認のための行動様式は少ないものの、さまざまな宥和行動、劣位行動が確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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