研究課題/領域番号 |
22405012
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 元己 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00193524)
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研究分担者 |
森長 真一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (80568262)
神保 宇嗣 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特任研究員 (10568281)
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キーワード | 系統地理学 / 植物地理学 / 生物間相互作用 / DNAバーコード |
研究概要 |
生物間相互作用ネットワークは、生物種の進化動態に大きな影響を与える。生物間相互作用を解析した研究は多いが、生物の種分化を伴う数万年から数千万年におよぶ長い進化過程の中で共存系がどのように各構成要素および共存系自体の進化に影響を与えてきたかはわかっていない。そこで本研究では、北米東部と東アジアの温帯地域に隔離分布する植物群集における共存系に着目し、今日見られる共存系の成り立ちを進化的スケールで捉え、陸上生態系の中でも特に重要な植物とその者をめぐる共存系を対象として、各生物種および共存系自体が植物の進化に伴いどのように進化したのかを解析した。 22年度は北米のアパラチア山脈とカナダの東部、および日本でのフィールド調査と解析資料の採集を行った。北米の調査地ではアメリカブナとカエデ属の植物を中心に、各種を餌にしているチョウ目、コウチュウ目、カメムシ目の昆虫の食餌部位、頻度を調査した。また、各種について数個体を標本およびDNA解析用アルコール液浸標本用に採集した。また、各植物種は葉をシリカゲルにて乾燥してDNAサンプル作成した。日本国内でも関東地方および東北地方にてブナ、イヌブナとカエデ属植物について同様の調査および採集を行った。現時点では、北米、日本での採集種数はそれぞれ、チョウ目15種、10種、コウチュウ目7種、5種、カメムシ目3種、3種である。昆虫類に関してはミトコンドリアCOI遺伝子を、植物に関しては葉緑体rbcL,matK遺伝子と核ITSの塩基配列を行った。それぞれの昆虫群に関して予備的に系統樹を作成したが、種数が少ないため、まだ十分な結論を出せるには至っていない。23年度以降にさらに調査を進めて種数を増やす必要がある。
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