研究課題/領域番号 |
22405017
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
細川 宗孝 京都大学, 農学研究科, 准教授 (40301246)
|
研究分担者 |
土井 元章 京都大学, 農学研究科, 教授 (40164090)
|
キーワード | トウガラシ / 温度反応性 / 遺伝子発現 / 耐病性関連遺伝子 / サリチル酸 / 形態 / 恒温性地域 / インドネシア |
研究概要 |
L恒温性地域での'Sy-2'の耐病性実証試験 インドネシアで'Sy-2'および現地で実際に生産されている品種(対照区)を現地の慣行法に従って栽培し、定期的に植物体の罹病調査を行った(アチェ大学)。昨年度までの調査でインドネシアにおけるトウガラシ栽培ではジェミニウイルスが大きな問題となっていることが明らかとなっていたため、トウガラシおよび農家の近隣フィールドの雑草を採集し京都大学で解析を行った。これまでのところ現地で栽培している'Sy-2'もジェミニウイルスに感染することを認めた。しかし、無病徴の側枝の発生がいくつか見られ、無病徴側枝の発生と24℃遭遇経歴との関連を調査する必要がある。 2.'Sy-2'およびカリブのトウガラシの温度反応性 昨年度に恒温性地域から採集したトウガラシ(約30品種)について22℃と28℃のインキュベーターで生育が変化するかどうかを調査した。その結果、1品種を除くすべての品種で28℃と22℃での生育に変化は見られなかったが、カリブから採集した品種に22℃で劇的に生育が変化するものが見出された。また、本品種の生育変化は'Sy-2'よりも著しく、22℃では完全に新葉の展開が抑えられた。よって、仮説通り恒温性地域においては、微小な温度の変化に対応できない品目が存在することが明らかになった。 3.'Sy-2'およびカリブのトウガラシの温度反応性の解明 サリチル酸および発現遺伝子の観点から両品種の温度反応性機構は同じものである可能性が高いと考えられた。現在'Sy-2'において温度反応性遺伝子の同定を進めているが、今後はカリブのトウガラシの温度反応性遺伝子座が同じであるか否かを調査する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的である恒温性地域におけるナス科、特にトウガラシ遺伝資源の探索・収集はほぼ完了した。当初の目標であった恒温性地域に特有な温度反応性を示す品種を見つけることができた。耐病性関連遺伝子の発現およびサリチル酸の発現結果も調査することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
恒温性地域であるインドネシアでの栽培試験を継続して行い、恒温性地域における'Sy-2'および'Carib-1'の耐病性を調査する。また、現地にける耐病性関連遺伝子の発現について調査することで、論文および調査報告書を完成させたい。
|