研究課題
「植物病原菌がいつ、どこで、どのようにして生まれたのか」、という植物病理学上重要な疑問に答えるべく、トマト-病原菌をモデルに、共進化、植物の栽培化、病原性関連因子の水平移動等の観点から解析を試みた。そのため、ペルー、チリ等の野生種トマトや、メキシコの栽培化過程の移行期トマトの組織や根圏から<i>F. oxysporum</i>を分離、これらの病原性等を検定、分子系統学的見地から、トマト萎凋病菌との系統関係を明らかにするとともに、病原性関連遺伝子領域のゲノム上の分布等の調査によって、病原性菌株の出現メカニズムについても考察することを目的とした。平成25年度は、2013年11月に野生種トマトの生息地としてチリ北部(イキケ~アリカ周辺)において野生種<i>S. peruvianum</i>および<i>S. chilense</i>の植物組織や根圏土壌を採集、日本へ輸入後に研究室で菌類の分離を行った。分離した菌類の内、<i>F. oxysporum</i>は、いずれも栽培トマトに対する病原性を示さなかった。rDNA ITS、rDNA IGS等のゲノム領域の塩基配列を決定、平成24年度までに収集した菌株と併せて分子系統解析等に供した。研究の総括として、「トマト萎凋病菌の先祖は野生種トマトに付随している非病原性<i>F. oxysporum</i>であり、メキシコにおける栽培化以降に病原性関連小型染色体を獲得することで萎凋病菌が出現した」と考察、論文としてまとめ、受理された。連携研究者等:東京農工大学大学院連合農学研究科 柏毅、 研究打ち合わせ等の海外研究協力者 国立ラ・モリーナ農業大学 Caballero教授、サンオーガスチン大学 Fatima教授。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
Microbe & Ebviron
巻: (in press)
10.1264/jsme2.ME13184
J Gen Plant Pathol
巻: 79 ページ: 412-421
10.1007/s10327-013-0471-5