タイ国東北部の荒廃草地造林に伴う炭素プールの変化を解明するため、4人工林プロット(3早生樹種、1郷土樹種)において、林分調査および土壌調査を行った。地上部と地下部(根)バイオマスは成長に伴い増加し、その増加量は早生樹林で5~7tC/ha/年間と計算された。一方、土壌現存量は草地と比べて約30tC/ha減少していた。従って、草地造林に伴う林全体の年間炭素固定量は、植栽後24年生林分では、3.1-4.7tC/ha/yrと推定された。また、安定炭素同位比値から土壌有機物起源解析を行った結果、植栽24年後には表層(0-5cm)土壌では草地由来の有機物が消滅し、樹木由来の有機物に全て変わっていた。
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