研究概要 |
平成25年度はミャンマー中央東部の2つの都市(TaunggyiとNyaungshwe)でウシの住血原虫を調査した。その結果、Theileria orientalisはPCR検査で検出されなかったが、Babesia bigeminaおよびB. bovis はそれぞれ3-4%、4-8%のPCR陽性率を示した。また、4都市で採取した281頭の山羊血清についてトキソプラズマ抗体の有無を調べたところ陽性率は11.4%であった。住家性ネズミ類の採集調査については、2つの都市(Nay Pyi TawおよびTaunggyi)周辺において、クマネズミ(Rattus rattus species complex)1匹、ナンヨウネズミ(Rattus exulans)2匹、コオニネズミ(Bandicota bengalensis) 10匹そしてハツカネズミ(Mus musculus) 5匹の計4種18頭が捕獲できた。現在、これらの4種についてミトコンドリアDNAの解析を行なっている。バングラデシュの肝蛭種については、Fasciola giganticaとFasciola sp.の2種が存在することが判明したが、東アジアの優勢種であるFasciola sp.はバングラデシュ国内において広く分布していることが明らかになった。ミャンマー産の薬用植物については、3種類の植物(Phyllanthus simples, Vitex arborea, and Ampelopsis brevipedunculata var. heterophylla)から、resveratrolを含む合計5種類の抗トリパノソーマ活性物質を分離・精製することができた。
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