研究課題
本研究は西アフリカ・ブルキナファソを調査対象国とし、病原体媒介ベクターの腸内フローラと病原体伝播能の相関関係を明らかにしようとするものである。ベクター媒介性感染症のモデルとしてマラリアを用い、ベクターであるハマダラカの腸内フローラを集落ごとに網羅的に解析し、得られた多次元的情報を“フローラバーコード”として統合する。フローラバーコードとベクター病原体保有率、感染症発生状況等の情報を包括的に解析し、現在まで謎に包まれていたベクター腸内フローラと病原体伝播能の相関関係を明らかにしようとするものである。前年度に引き続き、ブルキナファソ国立マラリア研修・研究センターの協力によりハマダラカサンプルの入手を行い、ハマダラカの腸内細菌、外部寄生真菌等の分離・同定を行った。また得られたハマダラカサンプルのマラリア原虫保有率の解析を行うとともに、ハマダラカの殺虫剤耐性遺伝子の保有状況についても解析を行った。以上の研究により、ベクター細菌叢による病原体伝播能規定メカニズムを明らかにしていく予定である。
2: おおむね順調に進展している
ほぼ当初の年次計画通りに研究が実施され、期待と同程度の研究結果が得られているため。
今年度までに引き続き、ブルキナファソ国立マラリア研修・研究センターの協力により各地域のハマダラカサンプルを収集し、それらの解析を行うことで、マラリアベクターおける腸内細菌叢と病原体媒介能の相関関係を明らかにするため、更なる情報の蓄積を行う予定である。
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