研究課題
1) 翼手目臓器からの保有病原体遺伝子検出法の確立ウイルスRNAの迅速検川(RDV;rapid determination of viral RNA sequence)法の改良について検討した。元来RDV法はウイルス感染細胞培養液中からウイルスRNAを検出するのに適しているが、ウイルス感染細胞から直接ウイルス由来RNA配列を検出することが出来ないか検討した。我々はRDV法と増幅産物のサイズ分別を組み合わせる方法を考案した。本法により、猫カリシウイルスおよびヨコセウイルス感染細胞から、それぞれの遺伝子配列を検出することが出来、RDVサイズ分画法と名づけた。この方法を用いた場合、5kb以上のゲノムサイズを持つRNAウイルスを検出可能と考えられる。2) フィリピンの翼手目における人獣共通感染ウイルス保有状況調査平成22年8月7日~13日にフィリピン・ルソン島に行き、野生コウモリの捕獲調査を行った。リザル郡タナイの大規模サル類繁殖施設であるSICONBREC (Simian Conservation Breeding Research Center)および、やはりサル類の施設であるバタンガス郡セント・トーマスのINARP (INA Research Philippines)で実施した。その結果、SICONBRECでは、Ptenochirus jagori 11頭、Cynopterus brachyotis 45頭,Rousettus amplexicaudatus 1頭が採取され、INARPではPtenochirus jagori 26頭、Cynopterus brachyotis 41頭が捕獲された。現在、血清中の抗レストン・エボラウイルス抗体および抗SARS様コロナウイルス抗体の検査を行うとともに臓器等からのウイルス遺伝子の検出を行っている。なお、以前フィリビンで採集したRousettus amplexicaudatus数頭から抗レストン・エボラウイルス抗体の検出に成功した。この成果はレストン・エボラウイルスの自然宿主を考察する上で、重要な証拠となるであろう。
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Emerging Infectious Disease
巻: 16 ページ: 1217-1223
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Developmental and Comparative Immunology
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http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/jitsudo/