研究課題
以前に申請者らは牛白血病ウイルス(BLV)による白血病発症と免疫応答に重要なウシ主要組織適合性遺伝子複合体(BoLA) クラスII DRB3遺伝子との相関性を、日本特有の黒毛和種牛を用いて、申請者らが独自に開発した塩基配列情報に基づいたPCR-SBT法により解析し、白血病発症に対して感受性・抵抗性の対立遺伝子を同定した。本研究では東南アジアの牛を対象にしてタイピング法の改良を行い、申請者らが見いだした牛白血病抵抗性/感受性遺伝子のアジア地域における分布調査を行った。本年度は、フィリピン5島(Luzon島、Bohol島、Leyte島、Cebu島、Iloilo島)に生育するHolstein、Sahiwal、Brahman、フィリピン固有種およびその交雑種の計981頭のDNAサンプルを収集し、nested PCRによるBLVプロウイルスの検出およびBoLA-DRB3アリルの同定を行った。BLV感染率は1.6%~11%と島によって異なるものの全体的に低かった。これら981頭から6種類の新規を含む81種類のBoLA-DRB3アリルが検出された。興味深いことに、アリルの種類は非常に多く、Brahman種で44種類、フィリピン固有種に至っては70種類ものアリルが検出された。日本の和牛の23種類、ボリビア固有種の35種類と比較しても格段に多様性に富んでいた。一方、アリル頻度に基づく系統樹解析から、Luzon島およびCebu島のフィリピン固有種は、日本産の日本短角や黒毛和種およびホルスタインと似た傾向を持ち、Iloilo島、Bohol島およびLeyte島の固有種とは特徴が異なる事が示された。本研究により、アジア牛のMHCが高度な多様性を示すことが示された。また、多くの新規アリルを同定したことにより、アジア地域のウシのタイピング法を容易にし、疾患との相関性の解析の基盤を整えた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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