研究課題
フィリピンイネ研究所において、これまでに収集、保存してきた品種・系統に加えて、国際イネ研究所との共同研究において評価してきたOryzaSNPパネルから選抜した数品種、名古屋大学ならびにフィリピンイネ研究所で遺伝解析用に育成してきた系統から選抜した数系統について、乾燥や降水のパターンが大きく異なるフィリピン国内の以下の地域で、フィリピンイネ研究所(Philrice)本場(ヌエバ エシハ州)ならびに、パンガシナン州サンニコラスとイサベラ州サンマテオの天水田地帯で、農家圃場において、耐旱性と根系の機能的役割を評価した。そして,2011年雨季、 2012年乾季・雨季、 2013年乾季の実験で得られた試料の計測、分析ならびにデータの解析を行った。その結果、土壌貫入抵抗値は土壌水分と有意な相互作用を示し、後者が低くなるに連れて前者が高くなった。乾物生産、総根長とキャノピー温度は、季節、場所ならびに品種・系統間との相互作用の影響を受けた。総根長は乾物生産と関係したが、その関係は、乾燥時の10-20 cmまたは20 - 30 cmの土層の含水率によってより強く規定された。キャノピー温度は、乾物生産と相関関係を示したが、その関係は乾季の方が雨季に比べて強くまた有意であった。これらの結果は、土壌水分変動条件下で、より大きな乾物生産を示した品種/系統は、利用可能な土壌水分が存在する層で根の可塑性を発揮し、それによって根長増加が起きた可能性を示している。とくに、20 - 30 cmの土層で、含水率が高くなり貫入抵抗値が低下した時に、可塑性が発揮された可能性がある。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Field Crops Research
巻: 144巻 ページ: 288-296
10.1016/j.fcr.2013.01.024
Plant Production Science
巻: 16巻3号 ページ: 205-216
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