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2011 年度 実績報告書

フィリピンにおける若年性住血吸虫性肝線維化症発症機序の免疫遺伝学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 22406009
研究機関長崎大学

研究代表者

菊池 三穂子  長崎大学, 国際連携研究戦略本部, 講師 (40336186)

研究分担者 千種 雄一  獨協医科大学, 医学部, 教授 (20171936)
平山 謙二  長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
キーワード日本住血吸虫 / 肝線維化症 / 若年性 / フィリピン / 遺伝解析 / 免疫応答性
研究概要

日本住血吸虫症浸淫地においては、職業上の理由から感染型セルカリアに汚染された水に接触する機会の多いハイリスク集団が存在する。この集団には同様に暴露されながらほとんど感染しない感染抵抗性の者から頻回に感染を繰り返し、重症の肝線維化症を発症する感受性の者までが集団中には存在すると考えられている。発症には、免疫応答が最も強く関与していると考えられることから、この集団中の感受性の個体が示す何らかの特異な免疫応答性を解明することは、有効な治療法の開発へと繋がる。フィリピン・ソルソゴン州において、特に35才以下に多くの肝線維化症患者が存在することから、この若年性肝線維化症発症機序の解明のために、ハイリスク集団約200人を対象に感染状況観察とその際の免疫応答性と肝線維化症感受性について解析し、肝線維化症感受性をコントロールする免疫応答性やそれを選択的に刺激する抗原分子を明らかにすることを目的とした。
研究代表者である菊池と共同研究者千種は、6月にフィリピンを訪問し、海外共同研究者のレオナルドらとソルソゴン地区に設定した対象集団の疫学調査(感染危険水域への接触度調査、虫卵検査)を行う。この対象者に対しては、虫卵検査、超音波検査、採血を実施した。全血のRNA抽出、血清の抗体測定や循環抗原の測定を行い、検便や血液検査により感染が判明すればプラジカンテルによる治療を前年度に引き続き行い、、データを集積する。今年度まであ調査の結果から、ソルソゴン地区において日本住血吸虫症の最も高い侵淫地(Tuly, Gumapia, Carriedo)が明らかになった。また、Gene Chipを用いた網羅的mRNA発現解析の結果から、DRB1*1501陽性若年性肝線維化症群の患者でHLA-classII遺伝子の発現量が増加していることがわかった。この結果を確認する為に、患者末梢血リンパ球を採取した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度に比較しておおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今年度は、IL12B遺伝子のSNP解析及び機能解析を行う。また、Gene Chipを用いた網羅的mRNA発現解析の結果から、DRB1^*501陽性若年性肝線維化症群の患者でHLAclassII遺伝子の発現量が増加していることがわかった。この結果を確認する為に、患者末梢血リンパ球を用いたEACS解析を行う。平成23年度までに作成した、組み換え分泌虫卵抗原に対する免疫応答性について解析を引き続き行う。対象者より末梢血リンパ球を採取し組み替え分泌虫卵抗原に対するT細胞の応答性について解析し、若年性肝線維化症を発症している患者に特有な応答、あるいは、若年性肝線維化症と相関が認められたDRB1^*1501に規定される免疫応答性についてさらに解析を進める。千種は、若年性肝線維化症を発症している対象者の肝臓超音波診断を行い、若年性肝線維化症を発症している対象者に対して行った、プラジカンテル処方の有効性について検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Association of HLA and post-schistosomal hepatic disorder : A systematic review and meta-analysis2011

    • 著者名/発表者名
      Huy NT, Hamada M, Kikuchi M, Lan NT, Yasunami M, Zamora J, Hirayama K
    • 雑誌名

      Parasitol Int

      巻: 60(4) ページ: 347-356

    • DOI

      10.1016

    • 査読あり
  • [学会発表] Immunogenetic analysis of the patients with early onset schistosomal fibrosis in Sorsogon Province, the Philippines2012

    • 著者名/発表者名
      Kikuchi M, Leonardo LR, Chigusa Y, Segubre-Mercado EM, Kobayashi N, Hayashi N, Inoue T, Arevalo NL, Lim RR, Agsolid LM, Agatsuma K, Hirayama K
    • 学会等名
      45th Annual Japan-U.S.Joint Conference on Parasitic Diseases, Japan-US Parasitic Diseases Panel Meeting, Japan-US Cooperative Medical Science Program
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2012-01-10

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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