研究分担者 |
及川 伸二 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10277006)
平工 雄介 三重大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30324510)
馬 寧 鈴鹿医療科学大学, 保険衛生学部, 教授 (30263015)
翠川 薫 三重大学, 大学院・医学系研究科, リサーチアソシエイト (20393366)
|
研究概要 |
Epstein-Barrウィルス感染は国際がん研究機関(IARC)によって「ヒトに対して発がん性がある(Group1)」と評価されている。中国南部においては上咽頭癌が多発し、予後不良であり、重大な健康問題となっている。中国広西医科大学付属病院を受診し、研究への参加についてインフォームド・コンセントの得られた新規上咽頭癌患者、炎症疾患および非炎症疾患の患者より血液および生検検体を得た。血清を用いて酸化ストレス指標である8-ハイドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)を測定した。免疫組織染色法により、癌部で8-OHdGおよび8-nitroguanineが強く染色され、iNOSの発現を確認し、また、癌患者での血清8-OHdGの上昇を明らかにした(HuangY-J.et al.Med Oncol.,2010)。さらに、生検標本よりDNAおよびRNAを抽出し、DNAメチル化特異的PCR(MSP)および遺伝子発現解析を行った。その結果、上咽頭癌においてそのプロモーター領域がメチル化し遺伝子発現低下を認める新規がん抑制遺伝子候補として、TFPI-2(tissue factor pathway inhibitor 2,Wang et al.,BMC Cancer,2010),RRAD(Ras-related associated with diabetes)、FSTL1(follistatin-like 1)等を見いだしている。さらに、上咽頭癌および正常組織より得られたDNAを用いて、メチル化DNA結合タンパクでメチル化DNA濃縮を行い、次世代シークエンサーによるゲノムワイド解析を行い、上記のがん抑制遺伝子候補の有用性を確認すると共に、がんにおける低メチル化遺伝子の検討を行っている。
|