ソ連崩壊後、経済的・政治的理由から移住権利のある汚染地域に取り残されたジトーミル州ナロージチ地区住人に対して放射線の長期影響を調べることにより、原発解体作業に従事する労働者への被ばく影響を推定することを目的に調査を行ってきた。 H22年度に集めたデータは、以下のとおりである。 ・'83、'88、'93、'97、'98、'99、'03、'08年の有病者数、罹患者数(単年度発生の人数)を国際疾病分類表(ICD-10)の中分類、小分類にカテゴリー分けしたデータ (ウクライナでは17歳までが小児として扱われることを前提に、0-14歳、15-17歳、17歳以上で分類したデータ) ・'83、'88、'93、'97、'98、'99、'03、'08年の放射能汚染区分別人口 (第2ゾーン>第3ゾーン>第4ゾーン、上記の年齢区分別) ・'83、'88、'93、'99、'03、'08年の死因別データ(ICD-10に準拠) ・'86、'88、'93、'99、'03、'08年の年齢構成 (0-9歳、10-14歳、15-19歳、20-24歳、25-29歳、30-34歳、35-39歳、40-44歳、45-49歳、50-54歳、55-59歳、60-64歳、65-69歳、70歳以上) ・2001年採取のナロージチ地区汚染土壌の放射能レベルおよび事故、当時の空間線量率(我々のグループが所有していた土壌より放射能測定と被ばく量を推定) ・ウクライナ語論文翻訳 ミトコンドリア機能障害、低線量被ばく住民の健康、先天性発達障害(神経系を含む)等の項目に関して重要と見られるウクライナ語論文の翻訳を4報行った。
|