研究概要 |
ジトーミル州ナロージチ地区における'83、'88、'93、'97、'98、'99、'03、'08年の有病者数、罹患者数を国際疾病分類表(ICD-10)の中分類、小分類にカテゴリー分けしたデータを医学統計学の専門家によって解析を行った。成人について検定をおこなった結果、1.データの不安定性(信頼性)。集め方と評価のしかたの問題、2.資料には、ある程度の真実は含まれているし、我々は乱このデータから、状況を判断するしかない。3.そこで、年度変化の重心(平均)おおよその信頼を置いて、検定を行った結果、 損傷,中毒およびその他の外因の影響SOO-T98p=0.0406、呼吸器系の疾患JOO-J99p=0.0036、妊娠,分娩および産褥O00-99(単胎自然分娩080を除く)p=0.0183の3項目に有意の差がある。(他の項目は有意差を認められず。) 但し、呼吸器系の疾患のみは、ゾーン4が他のゾーンより有意に多い。残りの2項目は、ゾーン2または3がゾーン4より有意に多いことが明らかになった(ゾーン別の空間線量は、ゾーン2>ゾーン3>ゾーン4)。更なる高精度化を図るため、衛生学、循環器内科学、免疫学、産科学、薬理学、物理学、数学の専門家を集めて全体会議を行った。現地の共同研究先であるジトーミル国立農業エコロジー大学がまとめた'91年~'04年の土壌汚染のレベルおよび被ばく線量推定値(外部・内部被ばくの総被ばく線量)を計算し、ナロージチの村々の汚染レベルを比較した。土壌汚染と被ばく線量には、おおよその相関関係が認められたが、近年、総被ばく線量が上昇、あるいは、一部の地域で総被ばく量がゾーン2とゾーン3で逆転している場合が発見された。
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