本調査は、将来的にアジア諸国における口腔病理専門医化を日本が主導をとりながら、口腔病理学の標準化が可能となるように、アジアにおける口腔病理学の教育の現状と口腔領域における病理診断の実情を調査することを目的とする。最終的には、我が国がアジア諸国での口腔病理専門医化制度の整備を主導をしていくことを目指した戦略的な調査である。 本年度の調査活動として、24年6月に愛知学院大学歯学会学術大会にてモンゴルでの調査活動の報告を行った。8月にモンゴル国のモンゴル健康科学大学歯学部にて研究協力者と現地調査と口腔病理学講座の設置・開設を行った。8月に日本臨床口腔病理学会総会・学術大会において、これまでの成果報告を行った。9月に歯科基礎医学会において、モンゴルでの成果報告を行った。10月にモンゴル健康科学大学歯学部にて研究協力者と現地調査および口腔病理学講座の稼働状況の調査を行った。10月に日本の口腔病理学講座の留学生に口腔病理専門医化に向けた戦略的な教育方法としての口腔病理コースを実施した。12月にネパール連邦民主共和国の人民大学歯学部にて研究協力者と現地調査を行った。25年2月にカンボジア王国のプノンペン大学歯学部にて研究協力者と現地調査を行った。3月にベトナム社会主義共和国のホーチミン医科薬科大学歯学部およびハノイ医科大学歯学部にて研究協力者と現地調査を行った。 上記の調査により、現状として口腔病理診断の教育は何もされていないことと、モンゴル、ベトナム、ネパールの歯学部においては、口腔病理学講座および口腔病理診断部の開設を強く望んでいることが判明した。また、モンゴルにおいては口腔病理学講座の開設を行い、モンゴル口腔病理協会を設立した。
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