研究課題
本研究は,システムの遷移系モデルを自動的に簡約化する方法論を確立することを目的とする.緩クリーニ代数を用いると,「遷移系=項,双模倣関係=等式」として扱うことが可能である.これまでの研究で得られた知見は次のとおりである.(1)緩クリーニ代数の部分クラスである完備べき等左半環が二項関係および二項多重関係によって表現可能であるが,ここで与えた埋め込み写像は,完備べき等左半環の単位元を二項関係および二項多重関係全体のなす完備べき等左半環の単位元にうつすとは限らないなど,多少奇妙な振る舞いを示す.(2)クリーニ代数の部分クラスである完備べき等半環(クォンテール)に対して同様の埋め込み写像で二項関係全体のなす完備べき等半環へ埋め込んだ場合にも,この奇妙な振る舞いは起こる.つまり,この奇妙な振る舞いは分配律を弱めたことに起因するわけではない.(3)完備べき等半環が単位元を保ちつつ二項関係全体のなす完備べき等半環へ埋め込が可能であるための条件.(2)での考察結果は(3)で得られた条件の完備べき等左半環への適用可能性を示唆している.これらを踏まえて今年度は(1)で与えた埋め込み写像が奇妙な振る舞いをしないための条件を与えた.また(3)の内容をケンブリッジ(イギリス)で開催された 13th International Conference on Relational and Algebraic Methods in Computer Science にて報告した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Lecture Notes in Computer Science, Springer
巻: 7560 ページ: 207 - 218
10.1007/978-3-642-33314-9_14
巻: 7560 ページ: 219 - 234
10.1007/978-3-642-33314-9_15
巻: 7560 ページ: 310 - 325
10.1007/978-3-642-33314-9_21
http://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/~furusawa/person/research.html