研究課題
連結グラフの集合 H に対し、H のどの要素も誘導部分グラフに持たないグラフは H-フリーグラフとよばれる。与えられたグラフの性質 P に対し、「有限個の例外を除き、任意の H-フリーグラフは性質 P を満たす」という命題を満足させる H を決定する問題は、禁止部分グラフの問題とよばれ、活発に研究されている。ところが、もし連結な H-フリーグラフ全体の成す集合が有限集合になると、上記の命題は P によらず真となり、特定の性質 P に何ら知見を与えない。このような H は禁止部分グラフの研究における雑音となるので、予め除去しておくことが望ましい。そこで本研究は、有限集合を生成する禁止部分グラフの集合 H の特定を目指した。前年度までの研究では、2個までのグラフを禁止して有限集合が生成される場合を 6-連結グラフまで特定した。そこで本年度は3個のグラフを禁止する問題を考えた。本年度の研究により、3個のグラフを禁止する場合、考えられる組合せは (1) 完全グラフ、スター、道、あるいは (2) 完全グラフ、部集合の位数が 2 と m (m は 2以上の整数) である完全2部グラフ、道 のいずれかであることが分かった。 (1)の組合せについては Diestel が既に完全グラフ、スター、道の大きさに関わらず常に有限集合が生成されることを証明している。そこで残るのは (2) の組合せのみであった。こちらについて研究を進め、完全グラフの位数は 3 でなければならないこと、m が 3 以上の場合、道の位数は 5 以下であること、m=2 の場合には道の位数は 6 以下であることを突き止めた。これらの結果から、2-連結グラフのクラスの中で、有限集合を生成するグラフの3つ組を完全に決定した。さらに 3-連結グラフのクラスの中で同じ問題を考え、部分的な決定に成功した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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