研究概要 |
サービス指向システムは,すでにネットワーク上に分散して存在するサービスを連係させることにより動作するシステムである.各サービスは多くの場合第三者が開発.管理しているため,アクセス不能状態などにより,サービスをそのまま利用し続けられなくなることがある.このような場合でも,システムを利用し続けることは重要である.本研究では,サービス指向システムが利用しているサービスに,その利用に関わる状態に変化があったとき,サービス指向システムとして利用し続けられるような環境を提案し,構築することを目的とする. 平成22年度は,サービスの状態変化の検出手法の提案,および利用不能サービスを取り替えるとき他のサービスの影響の検討を行った.具体的には,まず状態変化の種類によって検出方法が異なると考えられるため,状態変化を分類した.次に,各状態変化を検出するためにどのような情報が必要なのかを検討し,検出するためのフレームワークとしてまとめた.最後に,サービスシステム中のいくつかのサービスの間で密接な関係があるため,あるサービスが利用不能になった場合,他のサービスが単独で利用できても,利用不能になったサービスの代替サービスとは整合性が取れない場合について検討した.これに基づき,サービス指向システムの初期開発時にこのサービスの組み合わせを考慮したサービス検索システムのプロトタイプを作成した.プロトタイプは,BPELフラグメントと言う組み合わせの概念を導入し,その効率的な検索を実現した.
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