研究概要 |
本研究の目的は,次世代メニーコアチップのための光ネットワークオンチップ(NoC)に適するネットワーク構成と通信技術を確立することである.メニーコア・プロセッサで実行するアプリケーションと光通信特性を考慮して,それに適するネットワークトポロジーと通信方式を設計した. 1.光NoCのコストに関する検討 種々の光NoCトポロジーを構成するために必要なマイクロリングリゾネータ数や光導波路について,コスト比較を行った.また,通信競合を解消する調停方式の負荷について調査した. 2.光NoCアーキテクチャの設計 8~256コアを相互接続するNoCを前提に,光-電気ハイブリッド型2次元メッシュネットワークを設計した.また,光NoCの構成要素とそれらの動作仕様,及び通信性能を考慮して,通信方式はサーキットスイッチング方式を採用した. 3.予測ルーティングによるセットアップ時間の削減 光通信経路のセットアップ時間を削減する目的で,我々の提案する予測ルーティングを導入した.同様にセットアップ時間短縮のために,光回線予約が競合した場合に電気通信による制御メッセージを先送りする方式を設計した. 4.ネットワークシミュレータの作成と評価 設計した光-電気ハイブリッド型2次元メッシュネットワークの通信性能と消費電力を評価する目的でシミュレータを作成し,予備評価を行った.実験により,提案する通信方式が光通信経路のセットアップ時間削減に有効であることを示した.また,従来の電気NoCよりも低消費電力となることを示した.
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