研究課題
H24年度は,VLSIにおけるクロック信号線と組合せ回路部のゲート信号線とのブリッジ故障を対象にした故障診断法を開発した.これまでのVLSIに対する故障診断に関する研究は,ほとんどが組合せ回路部内の信号線またはゲート内部の故障を対象にしており,クロック信号線とゲート信号線間のブリッジ故障を対象にした研究は,報告されていない.本研究では,クロック信号線とゲート信号線間にブリッジ故障が生じた場合に,故障位置を指摘する手法を開発した.ブリッジ故障発生時の故障動作としては,従来から一般的である,ANDブリッジ故障とORブリッジ故障を考慮した.また,テスト手法としては,スキャンチェーン構造を利用しフリップフロップに論理値を印加し,観測するフラッシュテストを仮定した.研究においてはまず,ブリッジ故障による影響について,信号伝搬遅延を考慮した解析を行った.その結果,ANDブリッジ故障・ORブリッジ故障それぞれについて,どのような条件で誤った値がフリップフロップに取り込まれるかを明らかにした.さらに,故障シミュレーションを行い,候補故障箇所を絞り込む手法を考案した.開発した手法は,C言語により実装し,ベンチマーク回路に適用した実験を行った.実験の結果,多くの回路において,候補故障個所を1か所に絞り込むことができた.今後の課題としては,一部の回路で多くの候補故障が残った場合があり,さらに絞り込むために手法を改善することが挙げられる.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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10.1587
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