本補助金は、平成22年10月20日付けで追加交付内定があったため、研究計画を変更し、本年度はシステムの調達のみを一括で調達するように変更し、実施した。 本研究では、通信路の帯域に余裕があっても、End-to-Endでの通信性能がでない場合に、エンドノードでの問題回避に加え、中継ノードでの調整を行う手法について、通信を行っているエンドノードからの情報収集を行い、最終的には自律的に中継ネットワークの制御手法についての知見を得ることを目的としている。 最終的な実験・検証対象としては高帯域通信を行っている本学のスパコンTSUBAMEと制御対象ネットワークを通じて通信中のエンドノードおよび、そのネットワークを構成する機器群を考えているが、最初は高速エンドノードと簡単な中継ネットワーク機器からなる小規模なテストベットを設計、実現して実験を行う。このテステベットでのネットワーク機器については最終実験の対象とする機器と同一ファミリのアーキテクチャ・OSのものを採用し、得られた手法候補を最終実験対象に適用することを容易とする。 初年度については、上記の指針で設計されたネットワーク構成において得られた、色々な条件下での各エンドノードの特性からのシステム稼働状況の推定手法について検討する予定であったが、上記の理由により研究期間が短縮されたため、テストベットシステムのための機器調達、システム構築、および、初動動作確認までを行った。調達は、時間短縮のため予定を変更して一括で行った。 これについては順調に動作することを確認し、最初のテストベットの構築は終了とした。 今後は、開始時期のずれ、および、現在計画停電によりTSUBAMEが大きく縮退運転していることに応じて、次年度移行も随時研究計画を変更して、研究を続ける予定である。
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