研究概要 |
MTcast方式を拡張し,異なる品質要求(ビットレート,ピクチャサイズ,フレームレート,音声チャンネル数,等)を持つ多数のユーザに対して,サーバから一度にビデオを配送できる効率の高いP2Pベースのオーバーレイネットワーク・ビデオストリーミング機構を考案し,実環境に近い環境下で実験・評価を行い実用化への一提案とするという研究目的にそって,以下の事について検討し成果を得た. 改良したMTcast方式そのままでは,AS間のバックボーン帯域を消費し,数十万人規模の視聴者数に対応させることは不可能であるので,消費バックボーン帯域を抑制する形で配信木を改良し最適化する必要がある.具体的には,最もバックボーン帯域を浪費している枝を見つけ,これらの間でノードを交換することにより,帯域の消費を抑えることが可能となる.そのためには消費帯域等の測定が不可欠であり,オーバヘッドが少ない測定方法が重要となる.測定方法として,単純にホップ数を使用するのがよいのか,あるいは帯域測定ツール等を使用して行うのがよいのか,等について詳細に検討した. 検討の結果,通信品質に影響を与えるprobe packetsを新たに送信することなく,過去に測定した経路品質より現在の経路品質を推定する手法を新たに提案した.そして,提案手法のプロトタイプを実装し,Planetlab上で予備的な実測実験を行い提案手法の有用性を確認するとともに,その結果の研究報告を行った.
|