疎密度モバイルアドホック網におけるバッファ管理方式に関して、平均メッセージ遅延が最小となるような中継端末選択方式を考案した。具体的には、まず、メッセージの複製個数に上限が設けられており、網内の端末の性質が全て既知であるという条件下で、平均メッセージ遅延が最小なる中継端末候補群を見いだす問題を動的計画法を用いて定式化した。さらに動的計画法によって導かれる解の性質を詳細に調べ、各端末において利用可能な局所的情報のみを用いて、準最適な中継端末群を求める手法を探索した。 階層型3D水中センサネットワークの最適設計手法に関しては、階層型3D水中センサネットワークにおいて、最も積極的な方式であるエピデミックルーチングを用いた際の最適なシステムパラメタを求める手法を開発した。システムパラメタが与えられたとき、エピデミックルーチングにおける平均メッセージ遅延を計算するアルゴリズムは既に確立しており、システムパラメタの決定問題は制約付き最適化問題として定式化可能である。そこで、無制約最適化問題に対する勾配を用いない手法とペナルティ法を組み合わせることで、この最適化問題の準最適解を求める手法を開発した。
|