研究課題
本研究課題は、インターネットという超分散環境において、データ独立の概念を実現し多様な情報源から発生する情報を多目的に活用できるようにするためのデータ共有形態およびサービス構築形態を提案し、その実現可能性を示すことを目的としている。最終年度である平成24年度は、本研究課題に関して以下の成果を得た。まず、平成23年度までに検討を進めたRDFによるデータ表現を基盤とし、多種類の広域に分散して設置されたセンサが出力するセンサデータを、アプリケーション毎のコンテキスト(状況)判断ルールに基づいて処理して実世界のコンテキストを導出し、実世界の情報をそのコンテキストに応じてユーザに提供するための効率的な手法の検討を行った。具体的には、与えられたコンテキスト判断ルールから、効率的なルール処理を実現するReteアルゴリズムを用いてReteネットワークを構成するとともに、それを分散・並列処理する手法として、ユーザに提供すべきコンテンツやセンサの位置情報に基づいて分散・並列処理する手法を提案し、その基礎的な評価を行った。コンテンツの周辺状況は、コンテンツの周辺に設置されたセンサから得られるコンテキストによって判断できる。したがって、提案手法では地理的近接性を考慮したコンテンツとセンサデータのマッチング処理を行うことにより不要なマッチング処理を削減し、また、センサの観測範囲を考慮したデータフローにより、効率的にコンテンツとセンサデータのマッチング処理を実現できることを示した。本研究課題の3年間の研究成果により、データとアプリケーションの独立性を実現しつつ、アプリケーション間で効率的に分散したデータを共有し、さらにアプリケーション毎の高度な処理要求をスケーラブルに処理できる技術を確立した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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情報処理学会論文誌
巻: Vol. 54, No. 2 ページ: 730-739
電気学会論文誌C
巻: Vol. 133, No. 4 ページ: 785-793