研究概要 |
本研究では,GWクラスタ・WDSクラスタの2階層で構成する,スケーラブル無線メッシュネットワーク(Wireless Internet-Access Mesh Network, WIMNETと略称)のアーキテクチャと設計最適化に関する研究を進めている.GWクラスタは,GW(インターネットゲートウエイ)を共有するAP(アクセスポイント)の集合であり,ネットワーク規模に応じてGWクラスタ数を変化させることでスケーラビリティを実現する.GW間は,有線,WiMAXなどで広帯域接続を行う.1つのGWクラスタは,複数のWDSクラスタで構成される.WDSクラスタは,1つのSAP(Smart AP)と複数のCAP(Conventional AP)で構成される,WDS無線通信を行うAPの集合である.SAPは,複数NICやMIMOチャネルによる広帯域WDSクラスタ間通信,インターネット接続GWのための通信機能,ホスト認証,DHCP,Webキャッシュなどのインターネット接続のためのサービス機能を有している 本年度の研究では,WIMNETの通信性能を最大化するためのSAP選択アルゴリズムの提案,故障時の信頼性向上のための冗長構成としたAPからの動作AP選択アルゴリズムの提案,VOIP・動画像伝送などのリアルタイムアプリケーション実現のための帯域予測指標と制御法の提案,AP間リンクの必要動作時間確保による通信性能向上のための固定バックオフ時間切替法の提案などを行い,ネットワークシミュレータを用いたシミュレーションにより有効性を示した.また,それらの研究成果を論文誌,研究会,国際会議で報告した 今後の課題は,提案手法のMIMOチャネル対応とSAPへの実装,実ネットワークでの評価である.来年度の研究では,MIMOチャネル対応とSAP実装を進める予定である
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