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2011 年度 実績報告書

セキュアプロセッシングが可能なオープングリッドコンピューティングの実現

研究課題

研究課題/領域番号 22500060
研究機関愛媛大学

研究代表者

小林 真也  愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (10234824)

研究分担者 平田 孝志  愛媛大学, 理工学研究科, 助教 (10510472)
キーワードサービス構築技術 / 情報システム / GRID / 分散処理 / セキュリティー
研究概要

インターネット上で実現される開放型グリッドコンピューティングにおいて,他のコンピュータに依頼する処理の内容の意味や目的が,依頼先に知られることがないという「処理の隠蔽」と,依頼先において正しく処理が行なわれていることを保証する「依頼先に対する信用性の確保」を技術的に実現する「セキュアプロセシング技術」の確立を目的としている.「セキュアプロセッシング技術」により,従来,非営利(non profitable)なGRIDとも呼ばれていた,インターネット上の開放型グリッドコンピューティングの商用利用が実現し,開放型グリッドコンピューティングの新たな応用を切り開く突破口となる.
H23年度は,まずは,処理の隠蔽手法の実装と評価を行った.処理すべき本来のプログラムに対して,本来は必要のない実行命令(実行文)であるダミーコードを挿入することで,悪意を持った解析者の解析行為を困難にする手法の実装を行った.次に,解析者の視点から,ダミーコードが挿入されたプログラムに対して,ダミーコードの検出を目的とした,解析手法の提案と考察を行った.
暗号技術の研究において,暗号化の技術開発とそれを解読する技術の研究の双方が行われることによって,秘匿性能の高い暗号化技術をもだらすように,処理の隠蔽技術の研究においても,隠蔽側と解析側の双方の立場からの考察が必要である.H23年度においては,両方の立場にたち,研究を進めることにより,今回実装を行ったダミーコード挿入方法が一定の隠蔽性能を持ちながらも,幾つのダミーコードについては,高い確度で,ダミーであると類推できることを示した.
これらの研究成果については,H23年度第4四半期,本年5月にポーランドで開催されるInternational Conference on Advanced Computer Systemsへの投稿を行い,採択された.また,H24年4,月の投稿となるが,7月に開催される,情報処理学会マルチメディア、分散、協調とモバイルシンポジウムにおいて発表を行う.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

H23年度の研究費配分が,当初,震災の影響から減額の可能性が伝えられ,また,配分も例年の時期から遅れるなどの状況から,研究に必要な予算の執行,研究発表スケジュールを後送りせざるを得ず,H22年度末に計画を立てたH23年度の研究進捗スケジュールに比べ,やや遅れた.

今後の研究の推進方策

これまでの研究活動では,セキュアプロセッシングにおける処理の隠蔽と処理実行の信用性確保実現のために,様々な手法の考案に主眼を置いてきた.個々の手法については,様々な視点から,考察を行い,その有効性についての検証を行ってきたが,H23年度に行ったように,今後は,これらの手法の実装と実際のプログラムへの適応を通した評価を中心としたフェーズに移行する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Dummy code insertion and its efforts on concealment for Secure processing2012

    • 著者名/発表者名
      Jun Kawano, Hiroshi Kai, Yoshinobu Higami, Shinya Kobyashi
    • 雑誌名

      Proceeding of 18th International Multi-Conference on Advanced Computer Systems

      巻: CD 出版

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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