研究課題
本課題では、故障ノードや改ざんノードを含むモバイルセンサネットワークに対して、「ネットワークシミュレータ」と「実験用センサネットワーク」の両方を用いて、異常検出・修復の課題に取り組む。今年度は、シミュレータを用いて、センサネットワークにおいて免疫型診断モデルと統計的経路上フィルタリングの組み合わせによる異常データの検出性能を調べた。一方、実験用ネットワークでは、購入済みのセンサノードを用いてセンサネットワークの実験環境を構築した。シミュレータ上に数百規模のノードからなるセンサネットワークを構築し、まずは統計的フィルタリングによって改ざんノードが送出する偽造データをどれだけ検出・破棄できるかを調べた。次に、このフィルタリングと組み合わせて、改ざんノードを特定してより早い段階で偽造データを検知する免疫型診断モデルを提案し、偽造データの検出性能を比較した。その結果、提案手法がオリジナルのフィルタリングよりも早い段階で偽造データを破棄できることを確認した。これらの結果を逐次整理して雑誌論文Artificial Life and Robotics、国際会議KES2010および第23回自律分散システム・シンポジウムにて発表した。今後は、パラメータ条件の異なる様々なシミュレーションおよび数学的解析を行うとともに、他の改良フィルタリングや認証や暗号などと本手法を組み合わせることでより高いセキュリティレベルを達成する必要がある。一方、実験用センサネットワークについては、その構築をほぼ終えて、上述の免疫型診断モデルと統計的フィルタリングの組み合わせ手法を実装し始めたところである。
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Artificial Life and Robotics
巻: Vol.15 ページ: 302-305
Lecture Notes in Computer Science, Knowledge-Based Intelligent Information and Engineering Systems
巻: Vol.6278 ページ: 660-665