研究概要 |
本年度は大規模ワイヤレスセンサネットワークにおけるセキュア分散転送のための経路政策法のプロトコル作成とシミュレーション評価について下記の通り研究を推進した. 1 秘密分散データ転送のための複数経路生成法のプロトコル作成 経路情報を定期的に隣接ノードと交換し,新規ノードの出現の際,2分木に基づくアドレスを付与し,同時にサブネットの設定も行なう手法を作成し提案した.この手法では,既存の秘密鍵や共有鍵方式ではなくデータの分散転送により,セキュリティを有しつつ,スケーラビリティを有する手法である.提案手法のプロトタイプを実装した.本提案手法は今後の研究の展開においてプロトコルのさらなる実現可能性の調査などについて重要な役割を果たす予定である. 2 シミュレーションによる評価 (1) で作成した手法をQualNet4.5.1(現有設備)に実装した.また数百以上のノードを持つワイヤレスセンサネットワークに適用した場合のプロトコルオーバヘッドと作成されるネットワーク形状に基づくノードキャプチャ耐性などを求め,既存の単一経路制御手法と比較し,より高いノードキャプチャ耐性を持つことを示した. 今年度の研究結果はジャーナル論文,国際会議などで発表を行った.
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