研究概要 |
本年度は大規模ワイヤレスセンサネットワークにおけるセキュア分散転送のための経路政策法のプロトコル作成とシミュレーション評価について下記の通り研究を推進した. 提案法のまとめ 平成22年度から現在までの結果を論文としてまとめる.その際,複数経路作成法のひとつとして提案している文献[1]の手法との比較も行った.本提案法は,複数経路を同時に用いることによりデータ転送の安全性を確保する手法である.その際,経路同士の重なりを回避しつつ経路を構成し,重なりがある場合にはその多重度を送信元端末に通知することによりセキュリティ性能を向上させることができる.また,その際に構成される経路の特徴をもとにセキュリティ性能とノード故障耐性を最大化するためのパラメータ設定法についても示すことができる.結果を論文としてまとめる際,QualNetやNS2などを用いてシミュレーションを行うことにより,提案法の効果について確かめた. 当初計画において目標としていたワイヤレスセンサネットワークだけではなく,端末が1[m/s]程度の移動を伴う場合でも,提案法の拡張により,有効性を保ったまま複数経路が構築可能なことについても確かめた. 今年度の研究結果は学術論文,国際会議などで発表を行った. [1] C.Perkins, E.Belding-Royer, S.Das, “Ad Hoc On-Demand Distance Vector (AODV) Routing,” http://www.ietf.org/rfc/rfc3561.txt, IETF RFC, July 2003.
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