研究課題/領域番号 |
22500066
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
陳 春祥 県立広島大学, 経営情報学部, 教授 (90264944)
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研究分担者 |
佐々木 宣介 県立広島大学, 経営情報学部, 准教授 (20326424)
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キーワード | マルチチャンネルシステム / 誤り制御 / マルコフ過程 / 多元トラフィック / システムスループット |
研究概要 |
本研究は、広帯域マルチチャンネルの環境で複数チャンネルのトラフィックを合成した場合を想定し、各チャンネルの安定性が異なるような環境も含め、マルチチャンネルの状態変化及び各チャンネルの状態に応じた適切なトラフィック制御を行う方式を提案することを目的としている。本研究の初年度(平成22年度)では、IEEE802.11nに対応した、実験・検証用の無線ネットワークを構築し、高速ネットワーク環境において、TCPの性能の再確認および分析を行った。平成23年度では、更に無線LANの電波伝搬特性を調べた。そして無線チャンネルか有線チャンネルに限定することなく、チャンネルの状態変化を考慮した適応型制御方式を提案し、提案方式の性能評価を行った。現時点本研究は概ね計画の通り進んでいる。研究の進捗状況および実績は以下の通りである。 (1)IEEE802.11n対応の高速無線LANにおいて、2.4GHz及び5GHz帯について電波伝搬特性を調べて、TCP通信のスループットの実測を行った。同じ802.11n準拠であっても製品メーカーによって受信感度やスループットに大きな差があることが確認された。また、2空間ストリームで最大300Mbpsの仕様である一部のクライアントにおいて、ファーストイーサネットと同等以上の実効スループットが得られた。本実験で今後大規模な高速無線LANの構築運用に向ける基礎データが得られた。 (2)チャンネルの状態変化を考慮した適応型誤り制御方式を提案し、性能解析を行った。更にこれまでの方式(チャンネルの状態を考慮していない方式)との比較を行い、数値例により、提案方式の有効性を明らかにした。チャンネルの状態変化が穏やかな場合に提案方式が特に有効であると想定していたが、解析及び数値例で、無線機器の配置等の調整でチャンネルの状態変化が激しい場合でも、提案方式が優れたスループット特性を示していることが明らかになった。数値解析では2本の並列チャンネルに限定して比較を行ったが、提案方式は一般的なn本の並列チャンネルシステムにおいても有効であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の初年度(平成22年度)では、システムのモデル化を行い、平成23年度では誤り制御方式を提案し、提案した制御方式をマルチチャンネルシステムに適用して、システムの性能解析及び評価を行った。
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今後の研究の推進方策 |
本研究においては、現時点概ね計画通り進展しているが、多元トラフィックの合成分布はこれまでの研究で観測された長期依存性の他の特徴は見当たらない。解析及びシミュレーションの手法等を見直して再確認を行う予定である。また、本研究の計画では、広帯域と長距離及び高速無線LANを対象の通信システムとしているが、アドホックネットワークやマルチホップネットワークにおいても考察する予定である。
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