研究課題
ネットワークストリームを余すところなくキャプチャするSLIMアプリケーションについて、従来libboostを利用した実装がなされていた。これは、パフォーマンスと実装の容易さ(特にSHEMライブラリが洗練されている)ことから採用したが、ポーティングの際に、例えば異なるLinuxディストリビューションでカーネルのバージョンに強く依存するためコンパイルできないといった問題が発生した。そこで、これらを取り除き、一般的なライブラリを利用する変更を加えた。このSLIMにより、ネットワーク上を流れるPDFについて、実際にその内部を解析、Google Distance等を利用した一致度により、そのオリジナリティを解析したり、あるユニークなキーワードをもとに、誰がそのコンテンツに興味を持っているか、さらには、そのコンテンツの類似コンテンツは誰が興味を持ち、どこに存在するかといった解析手法を提案した。この手法は、PDF内部に存在する、XMLで記載されたメタデータを参照し、pdftextでタイプスクリプトが可能であればテキスト情報も利用することができる。このトラフィックとしては、研究室のゲートウェイトラフィックを利用した。もう一つの観点である、個人情報など完全な公開が望ましくない情報を、そのアプリケーション面からみた重要性ゆえ、安全に公開する手段として、PPDP(Privacy Preserving Data Publishing)と呼ばれる技術が存在する。この処理は一般にo(n^2)の処理遅延が伴うため、データ量が多い処理では処理遅延が膨大となり、スケーラビリティが低い。CAMとキャッシュを利用したアーキテクチャを利用することで、Information Lossと呼ばれる指標において、デメリットがあるが、処理遅延をo(n)に低減する手法を提案し、評価した。提案手法では、現在一般的に利用されているインテルマルチコアプロセッサのシングルプロセッサ処理と比較して、FPGAでは、200倍程度、ASICでは、さらに2,000倍程度の高速化が可能であることが示された。
2: おおむね順調に進展している
有害、危険情報の扱いが厳しいため、実際にネットワーク上に存在する問題のあるコンテンツを扱うことが困難である。そこで、ほぼ同じ定義で目的達成・実装が可能なPDFコンテンツに着目した。
今後は、最終的な目標である、問題のあるコンテンツの精査サーバへの自動リダイレクション手法について研究を進め実装する。また、提案手法の評価のため、NS2を拡張しコンテンツのハンドリングが可能かつ、リダイレクションを可能とする、シミュレーション環境を構築する。
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Journal of Procedia Engineering, ELSEVIER Science Direct
巻: (accepted for publication)(掲載確定)
The 8th International Conference on Networked Sensing Systems, pp.Peghu, Taiwan, June.12-15, 2011
ページ: 12-15
The 16th IEEE International Conference on Emerging Technologies and Factory Automation
37th Annual Conference of the IEEE Industrial Elec C tronics Society (IECON2011)
ページ: 3107-3112
37th Annual Conference of the IEEE Industrial Electronics Society (IECON2011)
ページ: 3119-3124
http://www.west.sd.keio.ac.jp