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2011 年度 実績報告書

広域低密度分布移動無線ノード群のための耐遅延ネットワーク通信手法

研究課題

研究課題/領域番号 22500070
研究機関東京電機大学

研究代表者

桧垣 博章  東京電機大学, 未来科学部, 教授 (70287431)

キーワードモバイルネットワーク / 耐遅延 / 低密度分布 / プロトコル
研究概要

(1)局所的移動計画広告に基づくDTN無線マルチホップ通信
DTN通信において各無線ノードが他の無線ノードの移動計画を取得できるならば、複数ホップの転送をも考慮した最適な次ホップ選択をすることでデータメッセージ到達性の向上や配送遅延短縮が期待できる。この移動計画については、より長時間の情報を交換することで前記の効果が拡大することが見込まれることから、N-stepランダムウェイポイントという移動モデルを対象とした手法を考案した。シミュレーション実験により、その有効性が明らかとなった。
(2)低密度の固定基地局を含むDTN無線マルチホップ通信
(1)の手法を移動無線ノードのみから構成されるPureアドホックネットワークのみではなく、少数の固定基地局の存在するネットワーク環境を想定した拡張を行なった。ここでは、無線ノードの移動計画が効果的に拡散されることで、より高い性能向上が見込まれる。シミュレーション実験によってこの効果が確認されるとともに、送信先移動無線ノードの現在位置が不詳である場合には、最短時間でデータメッセージが到達可能な固定基地局への配送計画を採用することで、送信先移動無線ノードの移動計画を保持した無線ノードにデータメッセージが転送される期待値が高まる効果を見出した。来年度は、この効果のより引き出すことができる手法へと発展させる予定である。
(3)ITSを対象とした広域DTNマルチホップ通信
東日本大震災の発生により、災害に対しても堅牢な交通制御システムの必要性を痛感した。本研究の技術が車載信号機の実現に寄与することを期待し、車車間通信技術の応用として検討した。基礎検討を終え、信号生成の同期制御等に関して知見を得た。より詳細な検討を継続する。
(4)実験環境の構築
DTN通信技術の実験、応用プラットフォームとして、球形移動無線ノードを作製し、その実機性能評価を行ない、良好な結果を得た。来年度には、(1)、(2)の性能を実機にて評価する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

DTN無線マルチホップ通信手法については、計画通りの進捗に加え、送信先無線ノード位置に関わる新たな応用が明らかになり、予定以上の進展が得られた。実験環境については、実機の製作数が予定数を下回っており、来年度前期に遅れを解消する必要がある。ただし、移動動作性能、通信性能についての評価が順調に進んでいるため、大きな問題にはならない。

今後の研究の推進方策

移動計画拡散によるDTN通信については、基地局を含むネットワークを中心として、位置情報サーバが存在しなくとも通信先無線ノードIDのみでデータメッセージを配送可能とする手法へと発展させ、実用へとより近づける。実験環境については、その構築を進捗させ、本研究で提案の通信手法の実機評価を行なうとともに新たな移動ロボット間通信プラットフォームとしての発展を検討する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Location-Based Information Management without Stationary Server Nodes2011

    • 著者名/発表者名
      Higaki, H.
    • 雑誌名

      Proceedings of the 23rd International Conference on Parallel and Distributed Computing and Systems

      ページ: 361-364

    • 査読あり
  • [雑誌論文] DTN Routing with Localized Distribution of Mobility Plans2011

    • 著者名/発表者名
      Chigira, Y.
    • 雑誌名

      Proceedings of the 10th International Conference on Wireless Networks

      ページ: 310-316

    • 査読あり
  • [学会発表] 被災地内安否情報交換のためのDTN通信手法2012

    • 著者名/発表者名
      川田智彦
    • 学会等名
      情報処理学会第74回全国大会論文集
    • 発表場所
      名古屋工業大学(愛知)
    • 年月日
      2012-03-07
  • [学会発表] 基地局を含む無線マルチホップネットワークにおける端末移動計画に基づくDTNルーティング手法2012

    • 著者名/発表者名
      岩井正敏
    • 学会等名
      電子情報通信学会情報ネットワーク研究会
    • 発表場所
      旭川ステーションホテル(北海道)
    • 年月日
      2012-01-26
  • [学会発表] 分散管理された端末移動計画に基づくDTNルーティング手法2011

    • 著者名/発表者名
      千明陽
    • 学会等名
      情報処理学会マルチメディア通信と分散処理研究会
    • 発表場所
      湯田温泉(山口)
    • 年月日
      2011-11-23
  • [学会発表] 移動ノード間協調による仮想信号機の実現手法2011

    • 著者名/発表者名
      阿部恵介
    • 学会等名
      情報処理学会マルチメディア通信と分散処理研究会
    • 発表場所
      湯田温泉(山口)
    • 年月日
      2011-11-23

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公開日: 2013-06-26  

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