研究課題
本研究は、携帯端末等によってリアルタイムに提供されるセンサー情報や動画情報をタイムリーに検索し、利用できるようにするための情報検索技術を提案する。本研究の特徴は、モバイルノードを対象とした分散ハッシュテーブル(DHT)という検索技術を提案し、この問題点を解決することである。分散ハッシュテーブルは、P2P型の分散情報検索アルゴリズムである。しかし、従来参加脱退が高頻度で生じるようなネットワークには利用しにくかった。本研究では、従来のDHTにおいて、携帯電話のようなモバイルノードが参加脱退をすることで生じていた検索失敗率を減少させる階層化DHT技術を実現し、リアルタイム情報検索システムを構築する。今年度は、ノード間の遅延時間によって分散ハッシュテーブルの構造を動的に変更する方式を提案した。従来、DHTの論理ネットワークでは、通信遅延が短いノード同士を近くに配置することで全体の検索遅延が短くなることが知られており、様々な方法が提案されてきた。しかし、動的な遅延時間の変動に応じてネットワークを変更するアルゴリズムはなかった。本研究では、遅延時間を測定し、レイアウトを動的に変更することで、検索効率を高めるアルゴリズムを提案し国内学会において発表した。この提案によって、携帯電話回線から無線LAN回線に切り替わるなどで遅延時間が変動した場合、適切な論理ネットワークの位置にノードを再配置することが可能となった。また、構造型Bloomフィルタに基づく情報検索において、Bloomフィルタの類似性に基づく構成方式を提案することにより、頻繁に参加脱退が生じるときの構造変化を削減することができ、再構築コストが軽減できることを示した。この成果は、国際会議において報告している。
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The 25th IEEE International Conference on Advanced Information Networking and Applications (AINA-2011)
ページ: 316-323