研究課題
本研究では、データリンク層(L2)が仮想化されたネットワーク上でのTCP/IPネットワークの構築および制御技術の研究を展開する。本研究の核となるのは、仮想化ネットワークインフラ上の複数のレイヤ3(L3)スイッチで通信の中継を可能にするという新しい通信手法とその制御技術の確立である。研究の核となる技術は、L3の転送情報をL2レベルにマッピングするフローキャッシュ情報を、ネットワーク中の複数のスイッチで分散管理することである。これにより、最終的にはネットワーク中の複数点での効率良いトラフィック中継を可能にすることを目指す。この要素技術して、トラフィック状況に応じて転送制御情報(すなわち中継点)を最適に配置するための配置制御技術と実際の転送処理技術の両面からの研究を展開している。具体的には、前年から進めていたPSO(Particle Swarm Optimization)を用いた高度な学習手法についての研究を進めるのと同時に、学習の要素として必要なトラフィック状況の観測・推定手法の研究を展開した。また、昨今の仮想化ホスティング環境との連携を鑑みて、将来的に仮想化ネットワーク制御と連携する仮想化ホスティング環境制御技術の研究も展開した。さらに、転送処理技術の研究として、仮想化環境を用いたL2/L3の通信エミュレーション基盤の構築を行った。これにより実際の制御処理の実現可能性の評価を実環境に近いソフトウェアによって確認できるようになった。
2: おおむね順調に進展している
制御手法のアルゴリズム的な面については研究が進んでおり、それに関連するトラフィック状況の観測技術の研究も進んでいる。仮想化環境との連携を意識しその部分を先行したために、エミュレーション環境は基盤ができたくらいであるが、全体としてはおおむね順調である。
最終年度に向けて、エミュレーション基盤上での機能確認など実システム面に展開する。
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