研究概要 |
SOM測位方式の誤差耐性を強化するため,各ノードにおける送信電力制御を用いて,自己組織化マップアルゴリズムの近傍ノード制御を行う方式の有効性を検証した. 自己組織化マップアルゴリズムでは近傍ノード数の制御がアルゴリズムの収束に大きく影響を与える.現在のSOM測位方式は近傍ノード数を,マルチホップを用いたトポロジにより制御している.しかし,ホップ数による近傍ノード数制御は近傍ノード数の制御粒度が荒く,アルゴリズムの収束精度に不利である.そこで,本研究課題では,各ノードの送信電力制御により近傍ノード数の制御粒度を細かく,かつ柔軟にする方式に改良する.各ノードの送信電力制御は,自己位置情報を隣接ノードに配信する際に行う.位置推定の最初の段階では,自己組織化マップのアルゴリズムの近傍ノード数を多くするために,出力を上げて自己位置情報を配信し,これを徐々に出力を下げることで,自己組織化マップのアルゴリズムの近傍ノード数を減少させていく.自己組織化マップのアルゴリズムにおいて近傍ノード数を下に凸に減少させる場合,高い収束が得られることが知られている.このような効果を各ノードの送信電力制御により引き出す.この方式の有効性を検証するため,高精度なネットワークシミュレータを用いて以下の評価を行ったが,目標精度(最悪誤差が5m以内,平均誤差が1m以内)を達成できなかった.そこで方式を見直し,ノード間距離に重荷付けする方式を追加し,これを現在評価中である.
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