研究課題
P2Pトラヒックの増大は、現在のネットワークオペレーションにおける重要な技術課題となっており、ユーザのコスト負担の問題からネットワーク中立性の議論を引き起こしている。本研究は、「P2Pにおいてユーザの公平性を実現するトラヒック制御を実現できないか?」というユーザの公平なコスト負担に向けた重要な技術課題に対し、ユーザ側P2Pシステムのトラヒック制御によるいくつかの可能性を探るものである。本研究では、P2Pトラヒックをネットワーク側で規制するのではなく、ユーザ側のP2Pシステム側が公平性を実現するべくトラヒック制御に積極的に関与する方向性を探ることを目的としている。本年度は以下の成果を得ている。・コンテンツオリエンテッドトラヒック制御P2Pにおいては、どこからコンテンツを得ても問題ないというコンテンツオリエンテッドな考えから、複数箇所からコンテンツの一部ずつを取得する手法が一般的に用いられている。本研究では、複数箇所からのコンテンツ取得において受信ノードはすべての状況を把握できることから、受信駆動型トラヒック制御を提案した。ボトルネックリンクを共有するセッション検出機能、相互影響の大きいこれらボトルネックを共有する複数セッション間の帯域配分機能を設計し、P2Pに適した新しい方式として提案している。・データセンタにおけるトラヒック制御P2Pなどコンテンツ配信においてデータセンタが重要な位置を占めつつある。本年度は、データセンタにおけるトラヒック制御として、マルチキャストに適した新しいトラヒック制御手法として、複数個所から到着する輻輳制御用フィードバック情報に対し、最も輻輳状況の重いノードからのフィードバックを選出したうえでこれにのみレート制御を適用するトラヒック手法を提案した。この方法により、マルチキャストに対し1対1通信と同等のスループットを確保した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件)
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