• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

ネット情報検索における携帯端末の効果分析とe-commerceへの影響

研究課題

研究課題/領域番号 22500082
研究機関筑波大学

研究代表者

住田 潮  筑波大学, システム情報系, 教授 (10236044)

キーワードe-commerce / ブラウジング行動 / セミ・マルコフ過程 / 動的解析 / CRM戦略
研究概要

ここ数年、携帯端末のe-ビジネスに与える影響を論じた論文は急激に増加している。しかし、ほとんどの論文は概念モデルを論じ、その有効性をアンケート調査等によって検証する水準に留まっており、ネット情報検索における携帯端末の影響を包括的に捉える為の解析モデルの研究は皆無と言っても過言ではない。本研究では、携帯端末と固定端末を併用するネット利用者のブラウジング行動を数理モデル化し、その解析を通して複数の携帯端末効果指標を確立する。さらに、そうした効果指標を評価する数値アルゴリズムを開発し、携帯端末のe-ビジネスに与える影響を定量的に把握する方法論の確立を目指す。
研究プロジェクトは2段階から構成されている。1年目に実施された第一段階では、行列ラプラス変換を求めその逆変換を陽に表現し、実数域で評価する為の数値アルゴリズムを開発した。
昨年度は、第二段階として、第一段階で求められた行列ラプラス変換を逆変換し、実数域で評価する為の数値アルゴリズムを開発した。特に、線形代数学における複素スペクトル解析を用い、必要となる逆行列を具体的に表現し、級数展開の必要性を最小限度に留めることに成功した。また、応用上は、一日における各時間帯を定数として捉えることが自然であり、求められた逆行列に極限操作を適用することで、この場合にも対応できるようにした。さらに、一日の時間帯を3つからNへ一般化した。
個別的な消費者行動の集合体としてe-commerceが実現され、時間Tまでに購入される製品の数、或いは、K個の製品を売り上げるまでに掛かる時間、といった評価指標を計算するアルゴリズムを開発、携帯端末の関与の有無がそうした指標にどのような影響を与えるかを定量的に把握することを可能にした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

モデル開発、数理解析、アルゴリズムの開発と実装、数値実験、論文発表の全ての点で、順調に進捗している。

今後の研究の推進方策

最終年度においては、ユーザークラスをCPCとCBOTHから複数クラスへと多様化する。また、収集される情報の最大値や累積値がある閾値を超えた場合に購買・非購買の決定がなされるという現状モデルから、N次元確率ベクトルで表現される収集情報の任意の関数で決定される値がある閾値を超えた場合に購買・非購買の決定がなされるというモデルへ拡張し、応用可能性をさらに拡大することを試みる。本プロジェクトの集大成として、開発された、あるいは今後、開発される様々な数値アルゴリズムを柔軟に組み合わせ、e-commerceにおける携帯端末の効果を把握する為の評価指標をスピードと正確性を以て計算できるソフトウェアを開発する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Impact of Mobile Accesses to the Internet on Sales Completion Time in e-Commerce with Multiple Classes of Customers

    • 著者名/発表者名
      Ushio Sumita, Jun Yoshii
    • 雑誌名

      Journal of Modern Accounting and Auditing

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evaluation of Cumulative Random Shocks Generated from a Semi-Markov Modulated Poisson Process and Its Application to CDO Pricing

    • 著者名/発表者名
      Jia-Ping Huang, Ushio Sumita
    • 雑誌名

      Journal of the Operations Research Society of Japan

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] Evaluation of Network Reliability via Combined Use of Ordinary and Reversed Hazard Rate Functions2011

    • 著者名/発表者名
      Jun Yoshii
    • 学会等名
      The 5th Annual International Conference on Mathematics, Statistics & Mathematical Education
    • 発表場所
      TITANIA Hotel, Athens, Greece(招待講演)
    • 年月日
      2011-06-15

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi