研究概要 |
本研究では,医療支援システムの構築を目的として,ユーザが入力した症状語句に基づき,インタラクティブに病気を推論し(症状・病名発想支援システム),ユーザの状況や病院の施設基準を考慮して,適切な病院を呈示するシステム(病院呈示システム)の開発と関連技術の検討を行っている 症状から病名を推論する症状・病名発想支援システムには,共起度情報をもとに,文章データ中の語句同士の関係を階層的なキーワードグラフ構造で可視化するHKグラフを用いた.ユーザから入力された症状語句をベースとし,対象となる文章データから抽出された症状語句との共起度情報に基づき,入力された症状語句との関連性を階層的なグラフ構造で呈示する.このとき,ユーザにより入力された症状と関連する症状との関係性を呈示することで,システムへの入力時にはユーザが明示できなかった症状に対する"気づき"をうながす発想支援ツールとして発展させていく.医療に関するホームページおよび医学電子辞書から抽出された病名と,これら重みを考慮した症状との関連性を共起度により算出し,得られた値の高い病名から順に呈示した.これにより推論された病名に対し,ランキングを考慮することでそれぞれの信頼度(その病気である可能性)を算出した.平成22年度は主に,本研究の主たる関連技術であるHKグラフの機能向上,及び可視化技術に関する検討を行った.関連する病名や類似する症状をクラスタリングする(本研究では"概念"グループと呼ぶ)技術の開発,及び病名と症状との関係を"係り受け"として抽出する技術の開発を行った.また,ユーザ支援技術としての"可視化"について,多角的に検討を行った
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