本研究は,公開されたWeb サービス/アプリケーションを対象に,複数の情報を手軽に統合し,新たなサービス/アプリケーションとして作成できるような環境を実現することを目指した研究である.関係演算に基づいたWebサービス統合フレームワークの実現と,個人・グループデータをWebサービス上から容易かつ安全に利用可能なグループウェア開発手法について研究を行ってきた.最終年度である平成25年度は,複数の情報を統合し編集可能なビューとして提供可能なWebデータ閲覧環境の実現と,個人/グループ情報を格納するためのサーバ環境に関する実現に向けた研究をおこなった. 前者については,既存のJavascriptフレームワークであるExt JSに対し,編集可能な結合データモデルを提供することで,各種ビューア機能を利用な形でシステムの実現を果たし,国際会議などで成果発表を行った.当該Webサービス結合ライブラリでは,単一データ要素がビュー上の複数箇所に現れた際にも,そのデータ整合性を守ることができる. 後者については,スケーラブルなNoSQL型データベースであるCassandraに対し,宣言的かつ構成的なアクセス制御機構の実現を図った.これにより,データベース上の情報を容易にアクセス保護機能付きWebサービス化できるだけでなく,関連データへの拡張も容易となる.当該プロトタイプは既に稼動しており,そのシステムデザイン及び実装について,現在発表試行中である.
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