研究概要 |
本研究の目的は,医療データの精密可視化において問題となる様々なノイズを平滑化する際に,データの本質的な内容を出来る限り変えないようにする新手法を開発し,さらに開発した手法を利用した新しい可視化を実現することにある 上記の目的にこの目的に照らして,本年度は以下の成果をあげた: (1) ボリュームデータの精度保証された平滑化法としての「ボリュームMPU法」の理論を完成 (2) ノイズに強い特徴可視化のための「勾配方向曲率法」の理論の完成と効果的な適用対象の確認 (3) 描画の基本形状として点群を利用した高精細な半透明可視化法のプロトタイプを構築 まず(1)に関しては,ボリュームMPU法のアルゴリズムに関して一応の完成を見た.具体的には,局所的な補間場の生成とその滑らかな結合に関しての手順が確定した.ただし,ソフトウェアの実装に関しては様々な実験によって細部のチューニングを行う必要がある.また,手術で変形して非正規格子型になったデータに対しては別途なチューニングが必要となるが,これも,大きな方向性は見いだすことが出来た 次に(2)に関しては,勾配法高曲率によって血管の境界及びその中心線の可視化が可能であることを確かめた.とくに中心線の明確な可視化が可能となることが分かったのは,大きな収穫であった.血管の位置・形状の確認や,癌と血管の識別に有用と思われる 最後に(3)に関してはボリューム,サーフェス,スライスの全てを融合して可視化する手法のプロトタイプを作り上げることができた.これにより,スライスで病変部を見つつ,そのスライスの人体中の位置を確認できる可視化が可能になると思われる
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