研究概要 |
2011年度には、本研究で開発しているボリュームデータの平滑化手法である「ボリュームMPU法」の理論をまとめた学術論文を論文誌に発表することができた(Journal of Visualization誌)。この論文では、多重階層型の局所平滑化の理論と、そのボリュームデータへの応用例として動脈瘤、人体頭部、足部のデータを平滑化・可視化した例などが紹介されている。 このように、平滑化の理論は一応の完成を見たので、2011年度の後半からは、可視化に関連した技術開発を研究の中心に据えている。この研究には2つの柱がある。一つは可視化の高速化である。ボリュームMPU法で平滑化したボリュームデータをGPUを利用して高速可視化する研究を進めている。比較的小規模なデータに関しては、既に数倍程度の高速化を実現し、研究成果を国際会議で発表した(JSST2011,AsiaSim2011,ASV11)。もう一つは、ボリュームMPU法の精度保証を生かした高精細半透明可視化への応用である。サーフェス・ビジュアリゼーションとボリューム・ビジュアリゼーションを組み合わせた高精細可視化の手法開発を進めている。こちらも初歩的な成果を国際会議で発表した(JSST2011,AsiaSim2011)。 上記以外にも、手術シミュレーションの際の臓器の形状変形などを想定した関連研究として、不規則六面体メッシュ型ボリュームデータを高品質にサンプリングする手法を開発し、学術論文として発表した(日本シミュレーション学会論文誌)。
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