研究課題
最終年度である平成24年度においては,1. これまでに開発した,ボリュームデータの高品質補間場の生成手法(以下「開発手法」)を実用的な可視化に応用すること, 2. 研究成果を国内外に積極的に発信すること,の2点を中心に研究活動を行った.まず,開発手法で生成した高品質補間場をリサンプリングしてボリュームデータをポイントデータに変換し,粒子ベースレンダリングを適用した.これにより,高精細な直接・間接ボリューム・レンダリングや,従来手法では困難な異種データの高精細な半透明融合可視化を実現した.研究成果は,国内では日本VR医学会の全国大会で発表され,国外では可視化分野における世界の3大国際会議のひとつ EuroVis 2012においてオーラル・プレゼンテーション論文の枠内で採択された.同様に,開発手法で生成した高品質補間場や上述の半透明融合可視化を応用して,手術シミュレーションにおける人体組織内の応力分布の時間変化を1枚の静止画内で可視化できる「時系列等値面群の半透明重畳可視化法」を開発した.この新可視化法では,手術シミュレータが生成する時系列四面体ボリュームデータから時間毎に等値面を切り出し,それらを全て重ねて半透明に重畳可視化する.一般に,異なる時刻の等値面群を重畳すると,複雑な曲面衝突が生じる.従来手法では,この衝突が縞模様などのいわゆる「可視化アーチファクト」を生じさせる.一方,新可視化法ではアーチファクトは一切生じない.描画処理も高速であり,マウスでのインタラクティブな操作も十分可能である.新可視化法を記述した論文は,シミュレーションを包括的に扱う国際会議としてはアジアで最大規模(論文投稿数900以上,採択論文数298)のAsia Simulation Conference 2012 において,Best Paper Award を受賞した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Journal of Computer Assisted Radiology and Surgery
巻: Vol.7, Suppl.1 ページ: 360-361
Journal of Visualization
巻: Vol.15, No.2 ページ: 179-187