研究課題
食卓周辺を対象としたICT活用を提案し、その具体例として会食支援システムの開発を進めた。現在の食生活にはICT技術はあまり入り込んでおらず、今後ICT技術を活用することによって、どのようにより豊かな食生活を提供してゆけるかを調査し、プロトタイプの開発によって示すことが本研究の目的である。これまでに個人ユーザ向けの食事支援システムが開発されていることから、複数人による会食を支援対象としている。本年は、まず、3者による会食を映像音声で記録、分析した。その結果、食事時の会話行動は、食事のない時の会話行動と異なり、発話と身振りの平準化という現象が発生することを発見した。食事のない会話では、よく話す人とそうでない人が発生することが多く見られる。これに対し、食事を伴う会話では、よく話す人とそうでない人との会話量の差が少なくなるという現象である。食事を伴う会話はこれまでにほとんど分析されてきておらず、本研究のような計量的分析は皆無であった。ここで得られた結果は、コミュニケーションの制御可能性を示しており、また、コミュニケーション支援に対して重要な知見を提供している。これと並行して、対面会食支援システムの設計と実装を進めた。個人を対象として、食事状況を認識して適当なタイミングで料理を推薦するシステムをこれまでに開発しており、このシステムの技術を応用して、複数人がいる場合に適切なタイミングをはかり料理推薦および話題提供サービスを行う会食支援システムを開発した。
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