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2011 年度 実績報告書

フィードバック型音場再生システムの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 22500110
研究機関九州大学

研究代表者

鮫島 俊哉  九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 准教授 (00298192)

キーワードバーチャルリアリティ / 音場再生
研究概要

音場再生システムを構築する際に必要となる,ダミーヘッドまたはリアルヘッドのHRTF(頭部伝達関数,Head Related Transfer Function)のシステムモデル化の手法として,前年度に特異値分解法を用いた手法を提案した。本年度は,そのモデル化手法を用いたHRTFの零点の分析を通して,非最小位相零点の生じる周波数の予測式を新たに作成した。音源方向によるHRTFの変化は,非最小位相零点の変化によって特徴づけられる。そのため,音場再生システムによって音像を制御する際に,作成した予測式に基づいて非最小位相零点を変化させれば,HRTFの実測値などを使用せずとも,任意の連続した方向へ音像を定位させることが可能となる。この成果は,本研究で構築を目指している音響のバーチャルリアリティシステムにおいて,その運用における応用例を広げることに貢献するものである。
また,音場再生システムの制御器の設計手法に関して,新たに制御誤差の時間波形を制御することが可能な逆フィルタ設計手法を提案した。音場再生システムを構築する際に,音響伝達系の逆フィルタを設計することが必要となるが,既往の最小二乗法に基づく手法では,制御誤差の時間波形を制御することができず,プリエコーのような歪みが生じる場合があり,聴感上問題となる。そこで,制御誤差の時間波形のサンプル値毎に異なる重みを乗じてから,最小二乗法で逆フィルタを設計することを試みた。その結果,重みを調整することにより制御誤差の時間波形を制御可能であることが分かった。この成果を応用することで,音場再生システムにおけるクロストークキャンセルの効果と音響伝達関数の等化の効果の二つのうち,どちらか一方の制御効果をより大きくするような制御が可能となる。それにより,音場再生システムの小規模化,あるいは聴取者の移動に対する制御システムのロバスト化に貢献する可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまでに新たに提案した制御器に基づく音場再生システムについて,DSPを用いた試作制御システムの構築は終了しているが,その音場再生システムの実際の運用と物理的な性能評価がまだ不十分である。

今後の研究の推進方策

次年度の研究計画では,構築した音場再生システムの主観的評価実験を主に行う計画であった。そこで,まだ不十分である物理的な性能評価実験を実施すると同時に,主観的評価実験を行うことを計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 最小二乗法による逆フィルタ設計における誤差波形の制御2012

    • 著者名/発表者名
      野田佑樹,坂井晴香,鮫島俊哉
    • 学会等名
      日本音響学会2012年春季研究発表会
    • 発表場所
      神奈川大学(神奈川県)
    • 年月日
      20120313-20130315
  • [学会発表] 頭部伝達関数の非最小位相零点の予測式2011

    • 著者名/発表者名
      野田佑樹,鮫島俊哉
    • 学会等名
      日本音響学会2011年秋季研究発表会
    • 発表場所
      島根大学(島根県)
    • 年月日
      20110920-0922

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公開日: 2013-06-26  

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