本研究の目的は、映像情報爆発時代における大量の未整理映像を対象として、映像中のオブジェクトとその動きを時空間的に重畳した手描きスケッチ画像をクエリとする映像検索手法の確立である。手描きスケッチ画像は一連の映像における心象を形作るオブジェクトやその動きを時空間的に重畳したものであるため、これら各要素を分解し、映像クエリとして再整形することが中心課題となる。 本年度の成果は以下の4点に集約される。 1.映像中に含まれる動物体について、動物体領域、動きベクトルおよびカメラワークの自動検出を実現した。 2.映像中の動物体とスケッチ画像中の対象の双方についてエッジ分布を特徴ベクトル化し、ベクトル間距離によって合致度を求める仕組みを実現した。 3.映像とスケッチのそれぞれから抽出された動き情報について、DPマッチングにて合致度合を求める仕組みを実現した。 4.上記の仕組みを組み合わせて、スケッチ検索の基盤システムを実現した。
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