研究課題/領域番号 |
22500113
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
松下 宗一郎 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (80339209)
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キーワード | 加速度 / 角速度 / 軌跡長 / ウェアラブル / 歩行 |
研究概要 |
研究の第2年度にあたる平成23年度では、研究実施計画に基づき磁気式3次元位置センサにおける磁場ノイズの減少ならびに計測可能範囲を拡大する機材を導入することにより、高精度かつ高い自由度での身体運動計測を行えるリファレンスシステムの拡張を行った。一方、加速度ならびに角速度を高精度にて計測する小型6軸運動センサを中心に、ワイヤレス通信デバイス並びに薄型軽量バッテリーを組み込んだウェアラブルコンピュータとして、頭部装着型ならびに足甲部装着型の2種類のデバイスを新たに製作し、より幅広い環境にて手軽に身体運動計測を実施できるシステムを構築した。その結果、頭部装着型デバイスでは、被験者が起立静止状態にある際の微小な運動信号をリアルタイムにて検出し、磁気式3次元位置センサを同時に使用することで個々の運動情報が包含している身体状態推定情報を同定する環境が整備されることとなった。そこで、より多くの被験者について静止安静時ならびに軽度の運動負荷導入時における身体状態推定実験を行ったところ、運動センサが有すべき精度並びに、身体状態推定において有意である運動パラメータ(加速度軌跡長並びに角加速度軌跡長)とその計算手法に関する知見が得られたことから、2011年9月開催の情報科学フォーラム2011にて論文発表を実施した。さらには、ヘッドホン型デバイスにて得られたウェアラブルコンピュータ製作に関する知見を用い、当初の計画にはなかった歩行計測による身体状況推定に関する実験を試みた結果、磁気式3次元位置センサをリファレンスとした運動計測実験により、いわゆる「がに股」歩行に代表される特徴的歩行が足甲部の左右方向への低周波加速度成分によって定量的に表現される可能性を見いだしたことから、この結果を同じく2011年9月開催の情報科学フォーラム2011にて論文発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度における主たる到達目標であった、「常時利用可能なウェアラブルコンピュータ」について、システムの試作が完了している。また、ワイヤレスデバイスの導入により、多種多様な環境下にて運動計測を手軽に行えるようになったことから、より幅広いアプリケーションへの展開が容易に行えるようになった。一方で、震災等の影響により被験者確保等にて支障が生じたことから、全体としては区分(2)の達成度にあるものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度にてシステムの設計ならびに試作を行ったウェアラブル運動センサシステムを用い、有効なアプリケーションの探索と並行して、身体運動計測において計測されている信号の意味をできるかぎり多数の被験者による実験を通じて明らかにしていく。一方、バランス感覚計測において医療現場にて使用されている重心動揺検査計と同様な機能を発揮できることが期待される家庭用ゲーム機用入力デバイス等を本研究により構築したリファレンスシステムと併用することで、身体運動計測によってどのような「身体状態」が推定されているのかに関する検討を進め、その結果を学会論文誌等にて併せて公表していく。
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