研究課題
23年度は、状態推測型動作制御機構の基本設計と部分試作に係る以下の項目について検討した。(1)エージェント動作情報の収集・蓄積機能の設計と実装リポジトリ型マルチエージェントフレームワークを基盤としたウェアエージェントを利用して構成されるマルチエージェント応用システムを対象とした動作制御機構では、システムを構成する個々のエージェントの動作特性、及び、それらをもとに導出されるシステム全体としての動作特性の計測を行う方式を検討している。そこで本年度は、個々のエージェントの動作特性の指標となるメッセージ送受信数や推論処理時間(エージェント内部のルール型推論機構の実行時間など動作指標)を計測する機能を設計すると共に,これをリポジトリ型エージェントフレームワークの処理系に埋め込む作業を実施した。これにより、マルチエージェント応用システムの稼働中に、当該システムを構成するエージェントの動作指標の時系列データを収集してシステム外部に蓄積できるようにした。(2)エージェント組織レベルの動作状況推測方式の設計前項で実現した機能を利用して収集される動作記録をもとに、システム全体としての動作特性を計測する方法として、スペクトル解析による方法、及び、RIS解析による方法を検討し、今年度は,前者のスペクトル解析による方法の設計と実装、並びに、その妥当性を評価するための予備実験を行った。なお、実験結果の評価・分析は完了しておらず、次年度に継続して行う予定である。また、本手法は、システム稼働後に収集した時系列データを、システム停止後にオフラインで解析してシステムの動作特性を得るものであるため、今後、これをシステム稼働中に行えるよう拡張する予定である.
3: やや遅れている
23年3月11日の東日本大震災とその復旧・復興の影響で、当初の予定が変更となったため。
諸般の事情により予定通りに進捗していない部分もあるが、目標機能等の絞り込みを行うなどして、提案する方式の中核部分の実現と評価が可能となるよう研究を進めてゆく。
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International Journal of Web Intelligence and Agent Systems
巻: Vol.9, No.2 ページ: 161-178
10.3233/WIA-2011-0213
Int.J.Energy, Information and Communication
巻: Vol.2, No.4 ページ: 47-66